IPod mini

iPod mini (アイポッド ミニ) の概要

iPod miniは、Appleが開発・販売していた携帯型音楽プレーヤーです。2004年1月から2005年9月まで生産・販売され、iPodシリーズ初の派生機種として、小型・軽量化モデルという位置づけで登場しました。

2004年1月7日に発表され、2月にアメリカで発売が開始されました。日本では、当初4月に発売予定でしたが、アメリカでの品薄の影響で延期され、7月24日に発売されました。

本体カラーは、シルバー、ゴールド、ピンク、ブルー、グリーンの5色から選べました。当時のiPod（後に「iPod classic」と呼ばれる機種）はホワイト1色のみであったため、iPod miniはiPodシリーズで初めてカラーバリエーションに対応したモデルとなりました。

Mac OS XとWindowsの両方で利用でき、非公式ながらサードパーティー製のツールを使用することでLinuxやUNIXでも利用可能でした。

ハードディスク容量は4GBで、AAC 128kbpsで4分程度の曲が約1000曲しか保存できませんでした。当時のiPod classicは10GBから30GBの容量があったため、容量単価では割高でしたが、本体の大幅な小型化が消費者のニーズにマッチし、世界的に大ヒットしました。

日本では、発売と同時にiPod人気をさらに押し上げ、デジタルオーディオブームの火付け役となり、ソニーのウォークマンからシェアを奪う結果となりました。iPod miniは、iPodシリーズの中で最も販売台数が多かったモデルです。また、2004年度にはグッドデザイン賞金賞を受賞し、ベスト15にも選出されています。

画面表示はiPod classicと比較すると1行少なく、例えば音楽再生画面では、iPod classicが曲タイトル、アルバム名、アーティスト名を表示するのに対し、iPod miniは曲タイトルとアーティスト名のみの表示でした。この点はiPod nanoで改良され、アルバム名も表示可能になりました。

2005年2月23日には、カラーバリエーションが変更され（後述）、容量が4GBと6GBの2種類から選択できる第2世代モデルが発表され、翌日に発売されました。

iPod miniは、本体がアルマイト仕上げだったため、背面に企業ロゴやキャラクターなどをレーザー刻印したコラボレーションモデルも多数制作され、一般販売や景品として配布されました。日本では、小学館からドラえもんの刻印が入ったモデルや、サンリオからハローキティの刻印が入ったモデルなどが限定販売されました。

内蔵ハードディスクには1インチマイクロドライブが採用され、日立グローバルストレージテクノロジーズ、ウエスタンデジタル、シーゲイト・テクノロジーがハードディスクを供給していました。マイクロドライブがコンパクトフラッシュとの互換性を持っていたため、iPod miniのストレージ接続コネクタはコンパクトフラッシュと全く同じインターフェースが採用されていました。そのため、内蔵ハードディスクが故障したり、容量が不足した場合には、非公式ながら大容量のコンパクトフラッシュメモリーカードを交換部品として使用することも可能でした。

2005年9月7日に後継機種であるiPod nanoが登場したため、iPod miniの生産は終了しました。

歴代モデル

iPod miniは、2つの世代に大別されます。

第1世代

2004年1月6日に発表されました。記録容量は4GB（約1000曲）、価格は249ドル（26,800円）で、第3世代iPod 15GBより50ドル安い価格設定でした。評論家からは高すぎると酷評されましたが、圧倒的な人気を博し、アメリカのApple Storeでは発売後数ヶ月間在庫を確保することが困難でした。日本などアメリカ国外での発売も延期され、発売後数ヶ月は入荷困難な状態でした。当時はマイクロドライブ単体よりも安価だったため、内部のマイクロドライブを取り出して転用、あるいは転売する目的で購入する層も存在しました。カラーバリエーションは、シルバー、ブルー、ゴールド、ピンク、グリーンの5色で、バッテリー駆動時間は8時間でした。

第2世代

2005年2月に発表されました。価格は249ドル（27,800円）で、記録容量6GB（約1500曲）のモデルが追加され、4GBモデルの価格は21,800円（199ドル）に値下げされました。カラーバリエーションは1色減って、シルバー、ブルー、ピンク、グリーンの4色になりました。ブルー、ピンク、グリーンは、本体色が第1世代よりも鮮やかで濃くなり、クリックホイールの文字もそれぞれの本体色と同じ色に変更されました（前世代はどのカラーでも灰色でした）。また、バッテリー容量は同じですが、チップセットの改良によりバッテリー駆動時間が8時間から18時間に伸びました。前モデルに同梱されていたACアダプタとFireWireケーブルは同梱されなくなりました。

関連項目

iTunes
iPod
iPod shuffle
iPod nano
iPod touch
iPod classic

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